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「大丈夫です。勘違いはどなたにもありますもの。これは聞かなかったことにしますから、お気になさらないでくださいませ」
「いや、いや。だから違うって。なにか勘違いしてるよね? 違うから」
そんなに必死に否定なさらなくてもよろしいですのに。
この前は料理は作りましたが、お菓子までは手が回らなかったので、シェフが作ったものを頂いたのですよね。
なので、お菓子はまだレイ様のお口には入っていないはずなのです。
そうなると、私よりも先に手作りのお菓子をプレゼントした方がいらっしゃるってことですよね。
考えれば考えるほど、モヤモヤしてしまいます。この気持ちは一体何なのでしょう?
「ちゃんと話すから、聞いて」
「……」
後ろめたいことでもおありなのかしら? 勘違いなら勘違いといって下さればそれで済むことなのに。
事を大きくしようとも広げようとも思っていませんから。妙にこだわられると怪しさがマシマシになるのですけれど。モヤモヤも募っていきます。
「ほら、あそこにベンチがあるから座って話そう? ね?」
レイ様に手を取られて腰に手を回されて、半ば強制的にベンチに座らされました。
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