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ディアナとは幼馴染で仲がいいことは知っていました。レイニーって呼び捨てですものね。レイ様もディアナって呼んでいますし。ディアナにはお相手がいるけれど、レイ様は?
ピスタチオのお菓子って、美味しかったって、嬉しそうでしたものね。
泣きたくなってきました。帰ってもいいかしら?
帰りたいわ。
力を緩めて頂いたら腕の中から抜け出せるのに。庇護された小鳥のようにレイ様の腕の中は心地良いけれど、レイ様の心の中は?
「ローラの手作りだって渡されたんだ」
「!」
私の? なぜ私の名前が出てくるの? 心当たりがないわ。ディアナにお菓子を託したなんて覚えがありません。
ごまかそうとしてらっしゃるわけではありませんよね? 思考がぐちゃぐちゃでちょっとしたことでも疑心暗鬼になってしまいます。
「というか、元々はディアナへのお土産だって言ってたんだ。それをおすそ分けするって持ってきたんだよ」
「あっ!」
合点がいきました。それなら、心当たりがあるわ。
まさか、ディアナがレイ様に贈ったとは思わなかった。そんな出来事があったなんて聞いていなかったから、知らなかったわ。
あのお菓子がレイ様に届いていたのね。
あれは試作の段階だったから、今度はもっと上手にできたものを召し上がって頂きたいわ。
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