36 気づいた思い

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「それと料理も作って模擬パーティーも行うから材料も揃えておかなくてはね。あとそれから」  お母様は冊子にペンを走らせ注意点を書き連ねていき、あっという間に空白がなくなってしまいました。当日まで気を抜けませんものね。主催者は大変です。  打ち合わせが済んだ頃、お茶が運ばれてきました。  テーブルの上を片付けてすっきりとしたところでティータイム。  紅茶を楽しんでいると 「やっと落ち着いたみたいね」  お母様が私をジッと見つめていました。 「私って、どこかおかしかったかしら?」 「おかしいというか、心ここにあらず、みたいで落ち着かない様子でそわそわしていたでしょう? いつもは冷静なあなたにしては珍しい行動だったもの」  お母様の指摘に冷や汗が流れます。  そんなにわかりやすかったのね。人前では平静を保っていたつもりだったのだけれど。  自分の気持ちをどう納めていいのかわからなくて、ふわふわと雲の上を歩いているようで足元がおぼつかず。  レイ様の顔を思い浮かべただけでドキドキしてくるし、居ても立っても居られなくて、意味もなく部屋の中を歩き回ったりして。  でも、それは自室だけだと思っていたのですが、お母様も気づいていたなんて、恥ずかしい。 「そうでしたか? た、たぶん、仕事の、事を考えていたからですわ」  声が上擦ってしまったけれど、納得してくださいますか?
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