3361人が本棚に入れています
本棚に追加
/774ページ
心配いりませんわ。
わたくしのこの美貌、教養をもってすれば、婚約者に選ばれることは自明の理ですものね。
なぜかフローラの名前が上がっていたようですけれど、相手にはなりませんわね。傷物令嬢などレイニー殿下が選ぶわけありませんもの。名前を上げるだけ無駄だというものですわ。
レイニー殿下。
成人の儀でお会いして以来、お慕いしておりました。
一目惚れというのでしょうか?
その時にピンときましたの。レイニー殿下はわたくしの伴侶として相応しいお方だと。
だからこそ、相応しくあろうと知識だけでなくテーブルマナーやダンスに刺繍など、公爵令嬢としてありとあらゆる教養を身につけましたのよ。王族に相応しくあらねばと頑張りましたわ。
やっと、それが報われるのね。数々の縁談を断って待っていた甲斐がありましたわ。
議会の貴族の方々は名士で重鎮ばかりですものね。その方々に認められたのですもの。
レイニー殿下との婚約も近いですわ。
これが真に相応しい縁談というものよ。
フローラにも、とくと見せてあげなくてはね。
ふふふっ……
なんて、星空がきれいなのかしら。今夜はいい夢が見れそうだわ。
おやすみなさいませ。
愛しいレイニー殿下。よい夢を……いえ、わたくしの夢を見てくださいませね。
最初のコメントを投稿しよう!