38 ディアナside⑤

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38 ディアナside⑤

「これは……もしかして、ルナ・テラスのケーキ?」 「ええ、そうよ。そろそろ食べたいのでは、と思って買ってきたのよ」  シックなケーキ箱のロゴを確認して感嘆の声を上げたのはアンジェラ。  今日は彼女とのお茶会の日。  月に一度は東の宮を訪れている。お茶会兼情報交換会といった方が正しいかもしれないわね。  今の時間帯はリチャードはお昼寝中。 「そうなの。よくわかったわね。ルナ・テラスのケーキが恋しくなってたところなのよ」 「それは、グッドタイミングだったわね」 「あら。でも、ルナ・テラスはテイクアウトはNGだったはずだけど」  お店で出来立てを食べてもらいたいという方針があるようで、持ち帰りを受け付けていない。 「基本はね。何事にも例外はあるわよ」 「そうなのね。まあ、そこはディアナだからってことかしら。あっ、でも。ローズ様にもお分けした方がいいわよね。お気に入りですものね」 「大丈夫よ。ローズ様にも届けてきたわ。たいそう喜んでくださったわよ」 「さすが、抜かりないわね」 「もちろんよ」  
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