38 ディアナside⑤

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「そういえば、今度レセプションパーティーを開くのでしょう?」  いつまでも怒りに燃えていても仕方がないので話題を切り替えたわ。 「ええ。フローラちゃんのカフェの話ね。わたくしも驚いたわ」 「知っていたのね」  正確にはシャロン様のお店だけれども、フローラも関わっているから特に訂正はしないでおく。 「もちろんよ。招待状をもらったもの」  てっきり知らないと思ってサプライズしようと思ったのに、 「招待状? 王太子妃に?」    目を瞬かせてびっくり眼の私にしてやったりの顔をしてニヤリと笑うアンジェラ。  招待状も見せてくれた。確かにアンジェラ宛だったわ。 「お母様はフローラちゃんを相当気に入ったのね。何でもしてあげたいって言っていたわ。今回のパーティーはそれ故よね。ローシャス家は筆頭公爵家。うちの邸を使うだけでも格は上がるし、その上に王太子妃のわたくしが参加したらどうなると思う?」   「それは、大きな後ろ盾を得たと思われるでしょうね。次期王妃の実家だものね」  フェリシア様も発想が大胆ね。世話好きな方だから、張り切っていらっしゃる姿が想像できるわ。 「それに、マクレーン伯爵家が揃えばこれ以上はない箔が付くと思うわ。経営が成功するためには最初が肝心。話題性も必要だと思うのよって、お母様が言っていたわね。わたくしもその日が楽しみだわ」
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