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「そうね。ローシャス公爵家、マクレーン伯爵家。二家が揃えば怖いものなしね。フローラも侯爵令嬢だから爵位的にも不足はないわね」
アンジェラの言う通り。これ以上はない最上の組み合わせだわね。
「それはそうと、フローラちゃんとレイニーはどうなっているの? 少しは進展しているのかしら?」
問題はそこよね。二人がうまくいってこそ、外堀を埋めた甲斐があるというもの。
「それが……なかなか」
「もしかして、まだ、仲の良いお友達関係が続いているとか……」
言い淀んだわたしの言葉を察したのか、呆れたような顔で見つめられてしまったわ。
「いつまでも朗報が届かないところをみるとそんなことだろうとは思っていたけれどもね。レイニーったら、何やっているのかしら。サッサとプロポーズしちゃえばいいのに。フローラちゃんって恋愛事は鈍そうだし、はっきり言わないとそのうちに誰かに取られちゃうんじゃないの」
「その可能性は無きにしも非ずなのよね。縁談は来ているっていうし。レイニーには一応、危機感を匂わせてはみたけれど、どこまで通じていることやら」
アンジェラは興奮した気持ちを静めるように紅茶を手に取った。少し冷めてしまった紅茶の温度がちょうどいいわね。
「こんなことなら、王命を使って頂いた方がよかったのではないかしらね。そのほうが早くまとまりそうよね。いっその事、陛下にまとめて頂いた方がいいんじゃないかしら」
アンジェラ。自重しましょう。
この調子だと両陛下に直談判しかねないわ。
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