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「そういえば、気になることがあるのよ。これはエドから聞いた話なのだけれど」
「エドアールから?」
「ええ。レイニーの結婚についてたまに聞かれるらしいのよ。そろそろどうかとね。ユージーンの結婚が決まったから、貴族達の関心がレイニーに移ってきつつあるみたいね。まだ、本格的に話が出てきているわけではないみたいだけれども」
「なるほどね」
王太子の耳にも入ってきているのね。
「エドもうまく濁してくれたみたいだけれど」
こんな事態になることは想定できないことではなかったけれど、両陛下が首を縦に振らない限り結婚は成立はしないから、心配することはないとは思う。
それでも政治が絡んだりしたら厄介だわよね。注意するに越したことはないわね。
「事が事だけに、一刻でも早く、フローラちゃんとの結婚がまとまって欲しいわね」
「本当に。それこそ、みんなが幸せになる早道よね」
わたしたちは心を一つにして、頷き合った。
わたしは心の中で密かに祈ったわ。
レイニー。
あなたにかかってるの。頑張るのよ。
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