39 遠い告白

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 婚約が決まった後の初めてのパーティー以来だったから。  そのあと、招待されたパーティーを研究の関係でお断りしてから、ぱったりとお誘いが来なくなってしまった。  婚約者のお前が来ないせいでパーティーに一人で出席せねばならない、みじめな思いをさせたと何度も詰られたわ。  誠心誠意お詫びはしたし、今度からはご一緒しますと言ったけれど、聞き入れてもらえなかった。  元々、険悪なムードで始まった婚約だったから、なんでも私のせいにして留飲を下げていたのかもしれないわ。  イヤな記憶が頭の中に映し出されて悲しい気持ちにさせる。消し去ったはずだったのに頭の片隅に隠れていたのね。今になって思い出すなんて……  ジクジクと痛む心。  奈落の底に突き落とされたような絶望感をずっと味わっていて、やっと解放されたと思ったのに。まだついて回るのね。 「ローラ?」  過去の苦い記憶に打ちのめされて落ち込んでいるところに、私を呼ぶ声がしました。幾度となく耳にする大好きな声音。  トクトクと早くなる鼓動。  そろそろと後ろを振り向くと 「……レイ様」  思った通り、息を弾ませた彼の姿がありました。
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