39 遠い告白

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 私の姿を認めたレイ様はそばまで来ると 「よかった。姿が見えないから帰ったかもしれないと思って焦った。よかった。ここにいてくれて」  息を整えながらも一気に話すレイ様に驚きつつも嬉しさがこみ上げてきます。探してくださったのね。 「すみません。ちょっと疲れたので風にあたっていました。私もレイ様にお会いできてよかった」  額に汗を滲ませてどのくらい探してくださったのか。胸が熱くなってどんな言葉で表せばよいのでしょうか。言葉が見つかりません。  ハンカチを持った手が小刻みに震えますが、気づかれないように額を拭いました。  目をつぶって大人しく汗を拭かれているレイ様は無防備な幼子のようで、微笑ましくて、知らずに笑みが零れてしまいます。 「ありがとう」  パッチリと目を開けたレイ様のきれいな菫色の瞳に、とくんと甘く心臓が脈打ちます。  覚えのあるこの感覚。  ずっと、ずっと前から、私はレイ様が好きだったのだわ。  レイ様の瞳に映る自分を見つめながら、過去の出来事を辿り感慨に浸っていました。   「ハンカチは洗って返すからね」  レイ様は私の手からハンカチを取ろうとして手を伸ばします。
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