39 遠い告白

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「いえ。大丈夫ですよ。汚れていませんし、私でも洗えます」  後ろ手にハンカチを隠すとレイ様も負けじとさらに手を伸ばしてきます。 「そんな、ローラの手を煩わせるわけにはいかないよ」 「大丈夫ですよ。私だってハンカチくらいは洗えますからお気になさらずに」 「いやいや、ローラが洗うくらいなら俺が洗うから」 「えっ?」  ちょっと信じられない言葉が返ってきて一瞬、動きを止めてしまいました。王子殿下が洗濯って想像もつかなくて面食らっている間に 「隙あり」  いたずらっ子のような顔したレイ様に後ろに隠していたハンカチを取られてしまいました。 「あー。レイ様」  気づいた時には遅く、ハンカチはレイ様の懐に収まった後。ふふんと勝ち誇った顔のレイ様が子供のようで、口元が綻んでしまいます。 「洗って返すからね」 「あの……レイ様はやめてくださいね」 「えっ?」  とても心外な顔をされました。やっぱり。ご自分で洗うつもりだったのですね? なんとなく、そんな気がしたので先手を打ったのですが。 「ローラに洗えるなら俺にもできると思うんだよね。まかせて」  なんだか自信ありげに片目をつむって見せたレイ様ですが、果たして大丈夫でしょうか?  「ん? 私にできるならっておっしゃいましたよね? どういう意味なのでしょう?」  これはちょっと聞き捨てならないような気がしてきました。 
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