39 遠い告白

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 レイ様はあまりにも優しすぎるので勘違いしそうにもなります。  甘い夢は見ないようにしなければ、失礼になるでしょうし、彼はきっと私なんかを好きになるはずはないのですから。 「疲れただろう? 座ってゆっくり話さないか」 「はい」  木製ではなくクッション性のある柔らかいベンチ。  ソファといってもいいくらいの座り心地のよいもので、それだけでも別空間だとわかります。 「レイ様、手を……」 「んっ?」  物音に気付いて場所を移動した時から、ずっと手をつないだままでした。 「もうそろそろ、離して頂いても……」 「いやだ。また、逃げられたらいやだからね。離さない」 「逃げませんよ」  たぶん。心の中でつけ加えて返事を返しました。それでもレイ様は納得していない様子。 「この前だって逃げたでしょう? なぜ? 話があると言ったのに」 「あれは……時間がなくて、あ、あの、あの……どうしても……」  あの日の事を思い出して、みるみる顔が朱に染まっていきます。  レイ様への気持ちを自覚しましたなんて言えるわけもなくて、どう言い訳をしたものか、あたふたする私に何かが覆いかぶさったかと思ったら、レイ様に抱きしめられていました。
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