39 遠い告白

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「今夜はこれで眠れますね」  ちょっと茶目っ気を出して、冗談めいて言ってみました。 「まだ、眠れないかな? だから、もうちょっとだけつきあって?」  一曲では足りなかったのかしら?   レイ様と踊るのは楽しくて一曲で終わりにしたくなくて、頷きました。踊る準備をと思ったら、手を引かれて行ったのは先ほどのベンチです。 「話があると言ったのは覚えている?」  腰を下ろしたレイ様はまっすぐに私を見つめていました。そういえば、先日も言われたような気がします。ダンスではなく話がしたかったのね。 「はい」  また逃げ出すとでも思っていらっしゃるのか、真剣な表情のレイ様は私の両手をしっかりと握りしめています。  先日は完全なる私情で逃げましたが、今回はそんな心配はいらないと思うのです。どんな内容か想像もつきませんけれど、逃げ出すような事はないでしょう、きっと。  お菓子の話かもしれませんし、厨房の調整ができたとか、現実逃避しているような感は否めませんが、妙な邪推はいけませんよね。  覚悟を決めました。
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