39 遠い告白

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「余計なことをしてしまったかな?」  穏やかでいて飄々としたつかみどころのない公爵様に、何度か口をパクパクさせていたレイ様でしたが、諦めたように大きく大きく息を吐いて目を瞑った後「わかった。ありがとう」と言うに留めました。  本当はなにかしら言いたそうでしたけど、何を言ってもディアナにはかなわない気がします。公爵様にも。   「そろそろ帰らないと。祝賀会も終わるのではないかしら」 「そうだね。ホールに戻ろうか?」  ここに来てからかなり時間が過ぎたような気がします。両親も待っているでしょうし、心配させてしまいます。 「それでは、フローラ。一緒に行きましょう」  ディアナの帰りを促す声にどうするべきかレイ様を見ると 「その方がいいね」  頷いてくださいました。  揃ってホールに戻れば余計な詮索をされてしまうかもしれません。  私はディアナとレイ様は公爵様と別々にホールに戻りました。  幸せだった時間は一瞬で、瞬く間に泡のように消えてしまい、やるせない気持ちはどうしようもなく心の奥に沈んでいきました。  そして、レイ様の話は聞けないまま、夜が更けていきました。 
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