40 ビビアンside③

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 どれくらいの時間が過ぎたのか、待てども待てども、一向にこちらに来る気配はなくて、それでも希望は捨てずに次々と他の令嬢と踊っている姿を見つめて、ジリジリと順番を待った。    令嬢達に断りを入れたのかダンスの輪から外れたと思ったら、きょろきょろと辺りを見回していらっしゃったわ。  ああ、わたくしを探しているのね。ずっと、この時を待っていましたわ。  必死になってたくさんの人の中を歩き回って、わたくしは反対側よ。ここにいるわ。  広すぎて、見つけることは困難なのかもしれないわ。手を振っても気づいて下さらない。わたくしの目からは、はっきりとわかるのに。  仕方がないわ。わたくしの方から動きましょう。  殿下を目指して歩いていた時に、ホールにいないと思ったのか外へと出ていってしまった。  出会わないと何も始まらない、恋も結婚も。  わたくしも必死になって殿下の後を追ったわ。  今夜は直接会える絶好のチャンス。わたくしたちが恋に落ちるのに最高の場所。月明かりの下でプロポーズを受けるのもロマンティックだわ。  気持ちを確かめ合ったわたくしたち。レイニー殿下がお祝いムード一色の大ホールで結婚の宣言をするのよ。重なる慶事に会場が湧きたって大喝采を浴びたわたくしたちは祝福の嵐に包まれる。  なんて素晴らしいの。  早くレイニー殿下を見つけなければ。  わたくしがの姿が見えなくて、焦っていらっしゃるかもしれないわ。  そして、見つけた。
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