40 ビビアンside③

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 いったい、いつの間に、二人は知り合っていたの。  自分を厳しく律してマナーも語学もその他の教養も一流だと認められるように頑張ってきた。それもひとえに王子妃に相応しくあるように。  どれだけ、わたくしが努力したのか、フローラ、あなたは知らないでしょう。血の滲むような努力をして築き上げた成果が、これから花開く時だったのに。  王子と知り合える機会なんて、そんなにあるわけではない。  レイニー殿下は公の場にもほとんど姿は現さなかったから、噂だけが先行していた幻の王子様だった。  王太子殿下も第二王子殿下も政略結婚。だから、レイニー殿下もそうだと思っていた。いつかは婚約者として声がかかるだろうと心待ちにしていたのに。  どんな手管を使ったか知らないけれど、レイニー殿下の懐に入り込みわたくしから奪おうというの。許せない。    憎らしい。  レイ様と呼ぶフローラが。  隣で当然のように微笑む姿が。  羨ましくて妬ましくてたまらない。  持っていた扇子を握りしめるとミシッと音がした。
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