41 砕け散る

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 止めどもなくスラスラと出てくる批判や非難。  どう受け止めたらいいのでしょう。  レイ様はファーストダンスも私と踊りたかった、二曲目も三曲目もっておっしゃっていたわ。あれが嘘だなんて思えない。あの庭園で二人でダンスを踊ったのに。  釣り合ってないって、みっもないって、わかっているわ。自分の容姿くらい、地味、華がないって散々言われてきたんだもの。 「知っていまして? レイニー殿下に結婚の話が出ているそうですわよ。結婚も政治ですものね。本人の一存だけでは決まりませんわ。そうなるとどなたが選ばれるのかしら。フローラ様、もしやご自分が選ばれると思っていませんわよね?」  蔑む目で私を見るビビアン様に、声は出せず首を左右に振りました。  「ですわよね。少し親しくしているというだけで、結婚できるだなんて勘違いをするような愚かな令嬢でなくて、分を弁えた方でよかったですわ。フローラ様、そのことをお忘れなきようにね」  レイ様と私の間には何もない。ましてや結婚なんて……あるはずはないわ。  レイ様にとって私は小さな子供のようなもの。  ビビアン様はなぜ私をそんなに責め立てるのかしら?  「レイニー殿下に相応しいのは、王子妃として横に立てるのは、わたくしのような美貌も教養も何もかも完璧な令嬢こそ相応しいと思いませんこと? わかったかしら? 分相応。先日言いましたわよね。何事も格があるのですわ。王子妃に相応しいのは誰であるか。誰の目にも明らかだと思いますわよ。ふふっ。婚約破棄された地味で冴えない傷物令嬢では相応しいとは言えませんわね」
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