41 砕け散る

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 チュンチュン。  かわいい鳴き声と共に木々の小枝を飛び回るスズメたち。  ベッドの背にクッションを置いてもらった私は、上半身を起こして、窓から外を眺めていました。窓から見える紺碧の空に形を変えながら流れていくふわふわの白い雲。午後の長閑な風景をただ眺めていました。  雨が降ったあの日から熱が出て風邪をひいてしまい、やっと起きれるくらいに回復したのは一週間経った今日から。  御者が見つけてくれるまでずっと雨に打たれていたので、体温は下がり、制服はぐっしょりと濡れて髪も乱れて悲惨な有様でした。  その夜に高熱が出て起き上がれずに、ベッドでの生活を余儀なくされました。熱にうなされながら、いろんな出来事が浮かんでは消え、浮かんでは消え……夢現の中、霧が立ち込める空間をさまよっているようでした。  お母様やメイドのサリー達がつきっきりで看病してくれた中、お父様も頻繁に部屋を訪れて体の具合を心配してくれました。両親の顔が見えると気持ちが安らいで眠れたような気がします。  コンコン。  ドアをノックする音に返事をすると入ってきたのは、サリーでした。 「ディアナ様がお見舞いにいらっしゃっていますが、どういたしましょう」 「お通しして」 「お嬢様、大丈夫ですか?」  心配そうな表情で尋ねるマリーに笑みをのせて頷きました。 「大丈夫よ。ディアナの顔を見たいわ。無理はしないから、少しの間だけね」 「わかりました。くれぐれも無理はなさらないで下さいね。本当に少しの間だけですよ。では、お連れしますね」
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