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「リッキー様、マロン。お勉強を始めましょう」
今日は遊びに来たわけではありません。しっかりと役割を全うしなくては、心を引き締めて教師を勤めました。
学習時間も過ぎ、リッキー様はおやつの時間です。今日はミルクとカップケーキ。マロンにはミルクとカリカリのフード。
いただきますの声が聞こえてリッキー様はカップケーキを頬ばっています。
小さい口でパクパクと食べる様子はとても可愛らしくて、目を細めて見入ってしまいます。子供や動物を見てるだけで癒し効果抜群です。
「フローラちゃんもどうぞ」
テーブルには紅茶とフルーツ。カットされたブラックオレンジ。滅多に口にすることのない果物にちょっとテンションが上がります。
「アンジェラ様、よろしいのですか?」
「ええ。どうぞ、遠慮なく召し上がってね」
顔を輝かせていたのがわかったのでしょう。アンジェラ様はクスクスと笑っていました。
「お見舞いで頂いたフルーツの盛り合わせにもブラックオレンジが入っていました。重ね重ねありがとうございます」
「あのフルーツは実家の農園で採れたものなのよ。母の選りすぐりの逸品だったの。フローラちゃんの元気回復のお役に立ててたら嬉しいわ」
フェリシア様にまで伝わっていたなんて、私はどれだけの人に心配をかけてしまったのかしら。私は深々と頭を下げました。
「ありがとうございます。フルーツ美味しかったです。食欲がなかったので、とても助かりました。けれど、一人では無理だったので家族達と一緒に頂きました」
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