45 すれ違う心

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「もう? まだ、時間には早いのではないかしら? せっかちね」  アンジェラ様の声がしました。顔を上げると、侍女長が耳のそばで何事か囁いているようでした。  アンジェラ様の目線の先には時計があります。  いつもはリッキー様の学習時間のはずですが、久しぶりだったせいもあり今日は早めに切り上げたのです。 「西の宮からの使いのようなの。時間まで待たせるわ。だから、フローラちゃんはゆっくりしていていいわよ」  西の宮……  緊張を伴ってドキッと心臓が跳ねました。  レイ様。  約束の時刻までに気持ちを整えなくては、そう考えるものの久しぶりに会えると思うだけで、ドキドキと鼓動が早くなるばかりで、ちっとも落ち着きません。  会話もそぞろに時計の針とにらめっこしながら、お茶の時間を過ごしました。
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