46 レイニーside③

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「わかりました。俺も一緒に土下座します」    勢いよく手を上げたダン。使命感に燃えているように見えるのは気のせいか? 「「「俺も」」」  異口同音に賛成した残りの三人。なんとなく誇らしげなのは気のせいか? ちゃんと話を聞いていたのか? 「そうですね。みんなで行きますか? エルザ達にも声をかければ賛成してくれるでしょうし」 「人数は多い方がいいだろうしな」 「じゃあ、いつにする?」 「先ずは陛下に謁見の申し込みをしなくてはいけません」  俺以外、テーブルを囲んでなんやかんやと盛り上がっている。素早い。すでに紙とペンまで取り出している。なんでこんなことにはまとまりがいいんだ。 「ちょっと、待て。俺を無視するな」 「「はっ?」」  あれやこれやと計画を立てているみんなが一斉に振り返る。  このままでは直談判されかねない。  母上からはローラを射止めろ言われているし、自分の力で何とかしなくてはいけない。他力本願で無理やりではローラだってかわいそうだ。 「みんなの覚悟はわかった。もう少し、時間をくれないか?」  一気にしんとした空気に負けないようにみんなを見据えた。ここで流されてはいけない。怯んでもいけない。 「了解です。殿下、今度こそ、頑張ってください。応援しますから」  拳を突き出すダン。  みんなの気持ちだろう。素直に受け取っておく。 「殿下、押して押して、押して、当たって砕けろですよ」  ガンバ―と親指を立ててウィンクをよこすアル。  何度も玉砕させるんじゃない。どれだけ挑ませるんだ。 「わかっておりますよ。これはあくまでも最終手段ですからね」  セバスの穏和な一声で話し合いの輪を解いた側近達。  とりあえず王命の可能性はなさそうだ。それにしても、主人抜きで勝手に暴走するのはやめてほしい。切に願う。 「あれー。降ってきましたねー」  気の抜けたようなアルの声に窓を見やると、さっきまで見えていた青空は厚い雨雲に隠れて大粒の雨が窓に打ちつけていた。  雨か……  ローラは今、何をしているんだろう。  彼女もこの雨を見ているのだろうか。  再び静かになった部屋の中で窓際に立って、雨にけぶる外の景色を眺めながら、ローラのことを思った。
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