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アンジェラ様とのお茶の時間もその一環。
せっかく、王太子妃殿下と親しくさせて頂いているのに、お話をする機会をなくすなんてもったいないことです。
誘ってくださるうちは、私もアンジェラ様のお気持ちに沿いたいと思っています。
それに、気さくで気取りがなくて、目線を合わせて下さるので、とても話しやすくて、時間を忘れて会話をするのもしばしば。
聞き上手で話し上手。
妃殿下として申し分のない方だといつも感心してしまいます。こんな人になりたいわ。アンジェラ様は私の理想の人物像です。
「ローラおねえちゃん。遊ぼう」
すぐそばでリッキー様の声がしました。
おやつを食べ終えて、おもちゃで遊んでいたリッキー様は退屈したのか、ドレスの裾を引っ張って私を見上げていました。期待に満ちたキラキラした瞳で見つめる小さな王子様。
「フローラちゃん。もう少し時間が取れるなら、リチャードの相手をしてくれないかしら? お昼寝がまだだから、そんなに時間は取らせないと思うのよ」
「はい。私でお役に立てるのであれば、リッキー様におつき合いいたします」
「よかったわね。リチャード」
「うん」
喜色満面のリッキー様。
早速私の手を引くと立つように促します。
立ち上がると手を引いて、部屋の外へと連れていかれました。
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