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「レイ様は、その、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ。サプライズだったので、ちょっと固まっていらっしゃるだけだと思いますよ」
クスクスと笑うエルザ達。
私の訪問はレイ様をそんなに驚かせたのかしら? そうよね、プロポーズをお断りして逃げたのだもの。二度と宮には足を運ぶことはないと思っていたから。
「でも、レイ様にはご迷惑ではないかしら?」
「そんなことございませんよ。心配なさるのでしたら直接お聞きになられたらよろしいかと。ただ、先にお召替えを致しましょう。わたくしたちの腕の見せ所ですからね」
何を言っても解放してくれそうにありません。リッキー様も待っています。呆けたままのレイ様は気にかかりましたが、エルザに従うことにしました。
♢♢♢♢♢♢♢♢
「顔色も良くなられてスタイルも元に戻られたようですね。よかったですわ」
ドレスに袖を通して鏡の前に座ると侍女達が安堵の息を漏らしました。
「心配させてしまって申し訳ないわ」
あの時はまだ回復途中で体調が戻っておらず、顔色も体重も万全とは言い難い時でした。あれから、体調を整えるために食事や睡眠などに注意して健康の回復に努めました。
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