47 揺れ動く気持ち

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 ドレスを着替えて部屋に案内されるとテーブルでケーキを食べているリッキー様が目に入りました。  大好きなメロンがのったケーキはあと少し。 「リッキー。口にクリームがついてる」  レイ様がナプキンでリッキー様の口を拭いてあげています。ほんわかと心が温まる光景に頬が緩みました。 「あっ。ローラおねえちゃん」  リッキー様は私の前まで来ると 「きれーい」  ためらいもなく褒めてくださいました。  幼くても王子様。人を喜ばせる術を知っていらっしゃるのでしょう。 「ありがとうございます」  額面通りに受け取ったりはしませんが、侍女達が一生懸命着付けてくれたドレスとメイク。彼女達が褒められているようで嬉しくなりました。 「ねえ。レイおにいちゃん。見てー。おねえちゃんきれいだよ」  手を引きレイ様の元へと連れて行かれました。  西の宮まで来たのだもの。彼に会わないわけにはいかない。  グイグイと引っ張られる勢いのまま部屋の中に入っていくと、あっという間にレイ様の前。  椅子に座ったままのレイ様を見下ろす格好になってしまい、気まずくて俯きました。  久しぶりに会うレイ様は、相変わらず見目麗しくて美形な王子様。  ドキドキと心臓が脈打ち落ち着かない気持ちで、挨拶をしなくてはいけないのに、それすらも憚れて声が出ませんでした。 「レイおにいちゃん。きれいでしょう」  心の中であたふたしている私の気持ちを知らないリッキー様は、自分の事のように褒めてくださいます。  
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