47 揺れ動く気持ち

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「これからもローラって呼ばせてくれる?」  力が入った手にそっと触れたレイ様の手。 「……はい」  これ以上は抗えませんでした。 「俺のことはこれまで通りでいいから。これで、おあいこだね。さあ、おいで」  レイ様の温もりに力が抜けて、触れたところから熱が灯っていくよう。用意された椅子に座るとレイ様が微笑んでいました。   「おかわり」  リッキー様の元気な声が聞こえてきました。 「畏まりました。どうぞ、殿下」  空になった皿を手早く片付けたルーシーの後にケイトがケーキの乗った皿を差し出しました。 「リッキー様。もう、お腹いっぱいでは? あちらでもおやつ召し上がりましたよね?」 「だって、お腹すいてるもん」  目をキラキラさせながら、二つ目のメロンのショートケーキを食べ始めました。  今日の東の宮でのおやつはミルクとクッキー。  夕食も控えているとなると妥当な量だったと思うので、ここでケーキを二個も平らげると夕食は入らないのではないかしら。 「おやつ目当てで遊びに来ているもんだからな。咎める者もいないし」  そういってセバス達側近に視線を移すレイ様。  セバス達は目を合わせないように、顔をあらぬ方向に向けて聞かないふりをしています。その通りなのでしょう。少々、バツが悪そうな顔をしていました。 「レイ様もですか?」  先ほどの言い方からするとレイ様も例外ではないのでしょう。  場の雰囲気を壊さないように、思い切って聞いてみました。緊張してぎこちなさはあるけれど。
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