3362人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくすると、リッキー様が口を開きます。
「ねえ、ねえ。レイおにいちゃん。レイおにいちゃんは、ローラおねえちゃんのこと、好き?」
瞬間、呼吸が止まりました。
何を言い出すのか、リッキー様の無邪気すぎる天真爛漫な笑顔と問いかけに、全身を緊張が襲いました。
「大好きだよ。愛している」
口元を綻ばせ真剣な瞳で愛しさを滲ませて答えるレイ様に、どくんと大きく胸が高鳴りました。顔が赤く染まっているのが自分でもわかります。
「ローラおねえちゃん。よかったね。ねっ、ローラおねえちゃんも、レイおにいちゃんのこと、好き?」
やっぱり……
たぶん聞かれるだろうなと話の流れから予想はついていましたが、どう答えればいいのでしょう?
返答に困って俯き、黙っていると
「ローラおねえちゃん、どうしたの? レイおにいちゃんのこと、嫌いなの?」
顔を覗き込むリッキー様の邪気のない表情に
「いえ、そういうわけでは……」
目を泳がせて口ごもりました。
今、レイ様はどんな表情をしているのでしょう? 想像するのも怖くて顔を上げられませんでした。
子供の言うこと。深い意味はないのかもしれません。
いつまでも口を閉ざしていてはお二人にも悪い気がしてきます。
好きにも色々あるわ。
男女の愛情だけではないわ。自分に言い聞かせました。
最初のコメントを投稿しよう!