48 ビビアンside④

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「確かに身分で言えば王族との結婚は相応しいと思う。それにビビアンは品格も教養も持ち合わせている。王子妃として何の遜色もない。わしらも望んでいなかったかといえば嘘になる。しかし、それでも叶わぬ事はあるのだよ」 「叶わぬとは?」  嫌な予感しかない。  お父様は苦渋の色を滲ませてわたくしを見つめている。 「ここだけの話だが、レイニー殿下には心に決めた令嬢がいらっしゃるそうだ」  心に決めた?   まさか……フローラ?   思い出したくもない顔が咄嗟に浮かぶ。でも、違うかもしれないと思い直して、浮かんできた顔を振り払った。  一縷の望みをかけて聞いてみる。 「その令嬢とは、どなたなのですか?」 「名前は明かされなかった。まだ発表する段階ではないようでな、もうしばらく待ってほしいとのことだった。両陛下もご承知のようだから、我々には報を待つより他はない」 「それならば、わたくしかもしれないのでは?」  そうよ。  名前がわからないのであれば、自分の可能性だってあるのではないかしら。だったら、早々に結婚相手を決める必要もない。  せめて、名前が明かされるまでは猶予があるはずよ。わたくしにもチャンスはあるわ。
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