48 ビビアンside④

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  ♢♢♢♢♢♢  放課後の学園。  生徒達の数もまばらになり静けさが辺りを包んでいる。  邸に帰りづらいわたくしは友人と別れてまだ学園にいた。  婚約話が出てからというもの、気分は最悪で友人達との会話が少し億劫になっていた。  帰ったら帰ったで待ち構えたようにお母様にお茶に誘われて、三男の話が出てくる。  お茶会や夜会で仕入れてくるらしい武勇伝などを延々と聞かされる。よくもまあ、話題が尽きないものだと感心するわ。  そして、いつの間にかサンルームの片隅に三男の絵姿が飾ってある。  大きいものではないから、目に入れなければよいのだけれど、椅子に座る位置がちょうど絵の真正面になるのよ。  狙ってやっているとしか思えないけれど、両親との諍いは本意ではないから、黙認している。  興味を持ってもらいたいと頑張っているのはわかるけれど、少し放っておいてほしいと思うわ。そんな毎日だから帰りづらくて学園で時間を潰すことにした。  幸い、学園のサロンは遅くまで開いているのでそこに行くことにした。  飲食可能なサロンでは友人同士やカップルも何組か座っている。  勉強をしたりおしゃべりを楽しんだり、利用する理由は様々ね。見た限り、お一人様はいないわね。でもいいわ。一人きりで物思いに耽る者がいてもいいでしょう?   どの席がいいかしら。やはり、窓際がいいかしらね。  空いている席を探していると 「あら、ビビアン様。お久しぶりですわね」  声のした方を向くとディアナがいた。  緑が見える窓際。一番眺めが良さそうな特等席を陣取っている。
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