48 ビビアンside④

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 皮肉を投げつけると悲愴感を漂わせて俯いてしまったわ。だって、本当のことだもの。いい気味よ。  傷物は傷物らしく、おとなしくしておけばよいのよ。レイニー殿下の周りをちょろちょろとうろついて目障りなのよ。 「そういう意味ではなかったのですけれど。結婚は縁でもありますし、相応しいお相手はおりますわ。ねっ、フローラ」  ディアナの言葉にポッと頬を赤く染めたフローラ。 「どういうことですの?」 「フローラには素敵なお相手がすでにおりますので、ビビアン様のご心配は必要ありませんわ」  含みを持たせてにっこりと笑みを返すディアナに 「ディアナ。それは……」  慌てたように首を振りながら、ますます顔が赤くなるフローラ。  幸せそうに見えるのは気のせい?  素敵なお相手って、まさか……  まだ名前は明かされていないはず。水面下でって……まさか。もうすでに? 「まあ、フローラ様にはすでにお相手がいましたのね。いったい、どなたなのかしら? 教えていただきたいわ」 「ビビアン様も意外とせっかちですのね。わたしの口からは言えませんわ。もちろん、フローラからも。両家の準備が整い次第、発表になると思いますから、もうしばらくお待ちくださいませ」 「……」  赤面した顔を隠したいのか俯くフローラは少し泣きそうな顔をしていたけれど、ディアナの言葉を否定はしなかった。ということは、話が進んでいるということ?  ディアナの自信ありげな不敵な笑みとフローラの反応に不安が押し寄せる。  メラメラと燃えるどす黒い炎が全身を包んでいった。
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