48 ビビアンside④

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 ビリビリと力任せに紙を破る。何度も引き裂いた紙は空を舞って机の上に散らばる。 「何なのよ。どれだけバカにすれば気が済むのよ」  また目に入った教科書を手に取ると思い切り引き裂く。 「悔しい、悔しい」  ビリと大きく裂かれた紙をさらに破いていく。こんなことをしても屈辱が消えるわけではない。  あれから、逃げるように邸に帰ってきた。  案の定、待ち構えていたお母様に疲れているからと告げて部屋に籠った。腹の虫がおさまらないわたくしは、鞄を机に投げつけると教科書が飛び出してしまった。  むしゃくしゃする。何かに当たらずにはいられない。いらいらとした気持ちを抱えてどうしようもなく、目の前にあった教科書に八つ当たりをした。何度も何度も破いていくと小さな紙片になっていった。 「なぜ、わたくしが惨めな思いをしないといけないのよ。フローラがレイニー殿下でわたくしが三男って、どんな冗談なのかしら。もしかしてわたくしは夢を見ているのかしら」  ビリビリ、ビリビリ。引き裂く指に力が入る。立派に装丁された教科書を破るために渾身の力を込める。 「フローラのどこが高嶺の花なのよ。あんたは雑草よって言ってやればよかったわ。身の程知らずな。地味令嬢のくせに」 細かくなった紙片が机に溜まっていく。紙片をかき集め上へ放り投げる。宙を舞った紙片は床に散らばった。
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