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「なるほど。そういうことなのね」
私からの事の次第を聞いたディアナは何度か頷きました。
分かってくれたかしらと彼女の顔を窺えばフッと口角が上がって微笑んだディアナ。
「それにしても、王子からの求婚を即座に断るなんて、フローラも度胸があるわね。普通は断るより即了承する場面よ」
度胸? 了承? えっ?
私、とんでもない間違いをしたのかしら?
とんでもない粗相をやらかしてしまったのかとサーと血の気が引いていきます。軽くパニックに陥っているとククッと忍び笑いを漏らすディアナ。
「そういう時は、一人で決断するわけには参りませんので両親に相談してみます、とかでもよかったのではない?」
「あ!」
確かにそうだわ。
何も私一人で答えを出すこともなかったのかもしれないわ。結婚って個人の問題ではないですものね。ましてや、レイ様は王族。そんなに容易に決められるわけでもないですものね。
自分の事だけしか考えられなくていっぱいいっぱいだったから、そこまで思いが至らなかったわ。
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