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冷静に判断すればもっと建設的に事が進められたのにと悔いが残ります。そうすれば冷たく言葉を投げつけることも逃げ去ることもしなくてよかったのにと、レイ様に申し訳ないことをしたわ。
「それにしても、断られた時のレイニーの顔を見てみたかったわ。さぞや、傷心して落ち込んだんじゃないかしら」
「ごめんなさい」
「別に責めてなんかいないわよ。ちょっと想像しただけよ」
そういいながら、笑いをこらえているように見えるわ。もしかして、面白がっているのかしら?
「傷心中のレイニーを慰めに行ってあげようかしら」
「えっ……」
「何、どうしたの?」
「いえ、なんでもないわ」
うん。何でもないわ。レイ様とディアナは普段から仲がよさそうだもの。会いに行くことくらい何でもないことなのよ。うん、そうよ。
探るようにジーと私の瞳を見つめたディアナは
「今、わたしにやきもちを焼いたでしょう?」
とんでもないことを口にしました。
「いえ、それはないわ。ディアナの勘違いよ」
慌てて首を横に振って否定しました。
それでも、ジーと見つめてくるディアナに身の置き所がなくなって目を逸らしました。
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