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「やきもちというか……ちょっと? ほんの少し? 気になっただけよ?」
おずおずと切り出してみると口を押えたディアナの目が見る間に大きく見開かれました。そんなに驚くことなの? 驚愕の表情で私を見るディアナに狼狽えてしまいます。
「フローラもそんな感情を抱くようになるなんて、恋って偉大ね」
感慨深げに感動しきりに胸に両手を当てているわ。
「ちょっと、気になっただけなのよ。それだけよ」
やきもちとかではないわ。先日のことがあったから、ちょっと引っかかっていたのかもしれないわ。
「いいじゃない。フローラの気持ちもわからないでもないから。王子達とは兄妹のようなものだから、何も疚しいことは無いから安心してちょうだい。常に側近達もいるから二人きりにもならないわ」
「そ、それは、いいのよ。ディアナの自由だわ」
ディアナは幼い頃から王城に通っていたことも両陛下から可愛がられていることも知っているし、レイ様と仲がいいこともわかっているもの。
変に勘ぐって嫌な思いをかけるとこはないものね。私の心が狭いだけよ。
「ふふっ。顔、真っ赤よ」
からかうように指摘されて頬に手を当てました。本当だわ、熱を持っているみたい。
羞恥にまみれた私はディアナの視線から逃れようと両手で顔を隠しました。ああ、穴があったら入りたい。
しばらく、羞恥に悶えているとディアナの声がしました。
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