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「ローラおねえちゃんもレイおにいちゃんのこと好きなんだよね。いってたもんね」
また、さらに爆弾発言が飛び出してきました。
これ以上ないくらい全身真っ赤だわ。身の置き所がない。そばにいる侍女達の表情は変わりませんが、それでも恥ずかしいの一言です。
悪びれることなく話すリッキー様の顔は何故だか自慢げです。
「アンジェラ様」
ここは助けを求めるしかありません。
「ああ、そうね」
私の窮地を察してくださったようで、平静を取り戻したアンジェラ様ですが、嬉々とした表情は隠し切れていませんでした。
「そんなことを人前で話してはダメよ。わかった?」
アンジェラ様が注意して下さり、リッキー様もちゃんと理解できたのか分かりませんが、頷いて下さいました。
王子殿下のプライベートな事を話しては問題になることもあるでしょうから。
「ぼく、ブランコで遊んでくるね。エイブ、後ろから押してー」
椅子から下りたリッキー様はまっすぐにブランコめがけて走っていきました。エイブも後を追います。
あの時のように、言い逃げですか?
残された私はどうすればいいのでしょうか。リッキー様がいなくなるとしんとした空気に包まれました。
雰囲気を変えようにも話題の一つも出て来ず、何も発することも出来なくて、間を取り繕うようにアイスティーに手を伸ばしました。
ストローで下に沈んだ紅茶をかき回して一口飲み喉を潤します。
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