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アンジェラ様は筒抜けになった私の気持ちをどんな風に受け止められたのでしょう?
確かめようにも怖くてまともに顔を見ることが出来なくて。
「フローラちゃん。ごめんなさいね。リチャードが余計なことを言ってしまって」
「いえ……ここだけの話にして下されば」
「もちろんよ。緘口令も敷いておくから大丈夫よ」
よかった。
外部に漏れたら大変なことになるかもしれないもの。レイ様のご迷惑なることは避けなければいけないわ。
胸を撫で下ろしてホッとした私は、またアイスティーを一口飲みました。
「二人はすでに両思いだったのね」
ぶふうっとアイスティーのストローから盛大に泡が立ちました。
二口目は飲んでいなくてよかったわ。いえ、いえ、そうではなくて。
「あ、あの」
あわあわと狼狽える私。
「あら、違ったの? リチャードの話だと気持ちを確かめ合ったのでしょう?」
小首を傾げるアンジェラ様の表情はリッキー様にそっくりでした。
「えっと……あれは、言わされたというか、なんというか……」
リッキー様の誘導尋問に引っかかったようなものなのだけれど、気持ちは本当の事だし、どう説明すればいいのかしら。
ブランコではしゃぎながら遊んでいるリッキー様が恨めしく思えてきました。
彼の爆弾発言がなければ……
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