49 波乱のあとで

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♢♢♢♢♢♢ 「しばらく、ここで療養するといいよ」 「治療もして頂いた上にそこまで甘えてはいけないと思うのですが」  ひとしきりレイ様の胸で泣いてしまった私。  気持ちが落ち着いた頃、連れてこられたのは初めて見る部屋でした。  衣裳部屋を兼ねたドレッサー用の部屋を用意して頂いていましたが、ここはその部屋とは比べ物にならない豪華な造りでした。  百合の透かし模様の生成りの壁紙は上質。最高級のマホガニーの家具、テーブルや椅子、照明などインテリアも技術の粋を極めた上品で豪奢なものばかり。  その中でも一番目を引くのは天蓋付きのベッドです。  キングサイズの広さに典麗な彫りには鮮やかな色彩が施されて、幾重にもレースが重なりエレガントで幻想的な雰囲気を醸し出していました。  私は今、その天蓋付きベッドの上。  なぜここに?   ふかふかで寝心地もよさそうなのですが、レイ様の宮に泊まるわけにはいきませんし、療養も自邸で十分だと思うのです。  邸に連れ帰ってくれると思っていたら、着いた先は西の宮。  まさか、ダンがそんな大胆なことをするとは思っていなかったので、すっかり騙された気分です。
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