49 波乱のあとで

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「お慕いしている。それがフローラの気持ちなのね」  私は下を向いたままをこくりと頷きました。 「それで、レイニー殿下とはどのような感じになっているのかしら?」 「それは……」  さらに突っ込んだ問いに言葉が濁ります。お母様はすました顔で紅茶を飲んでいました。お父様は黙して語らず。私達のやり取りを見守っているようです。どちらにしても二人の視線が少々痛いわ。    かといって、隠すわけにはいかず、今までの経緯を話しました。 「そう。フローラの気持ちはわかったわ。あなたなりに考えた結論だったのね。それで、これからどうするの? どうしたいの?」  これから、どうしたいのか。  問われて言葉に詰まりました。 「これがいい機会なのかもしれないわね。フローラ、もう一度しっかりと自分の気持ちに向きあったらいいと思うわ。わたくしたちはあなたの決断を支持するわ。あまり悩み過ぎずに素直になったらいいと思うわよ」  私の気持ちを慮ってくれたのか、深く追求せずにいてくれました。   「はい」  両親の温かさに胸にくるものがありましたが、表に出さないようになんとか我慢しました。  このあとはたわいもない話をして時間を過ごしました。
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