2 話し合いの結果

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「あのクソガキとの婚約解消なんて、フローラには何のダメージもないぞ」  えっ……お父様、今、なんとおっしゃいました? えっ?  私はびっくりして目を見開いてお父様を見てしまいました。 「そうよ。フローラは正々堂々としていればいいのよ。あなたは何も悪いことなんてしてないわ。むしろ、被害者よ。心配しなくても結婚相手は引く手あまたなんだから」  お母様が励ましてくださいます。 「研究資金だって、家で十分出せるからな。そこも心配しなくてもいい。やりようはいくらでもある」  お金の心配はしなくてよいのね。お父様の言葉にパッと目の前が明るくなったような気がします。 「それじゃあ、結婚はしなくてもいいんですね」  色々疲れてしまった私は期待を込めて聞きました。結婚より研究。研究さえできれば何もいりません。 「「……」」  私の意見に賛成してくれたと思ったら、何なのでしょう? ジッと私を見つめながらの二人しての沈黙は……  気持ちを理解してくれたと喜んだのに、固まったまま微動だにしないお父様とお母様。何か言って頂かないと不安になります。 「コホン」  我に返ったらしいお父様の咳払いが聞こえました。 「結婚したくないのか?」 「できれば、今は考えたくありません」  本音はしたくないのだけれど。正直に言ったらガッカリされそうです。なので言葉を濁しました。これだって嘘ではないですからね。
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