bull shit

18/24
前へ
/24ページ
次へ
隆は一度8階へ戻った、彼女は何もかもが珍しい様でカフェテリアをウロウロして 手に取れるものは手に取り、それを眺め回すと鼻に近づけ匂いを嗅いだりしていた 遠目に見ると彼女の美しさは更に際立っていた、そしてどこか可愛らしい仕草は 最強と言っても過言でもなかった、このままここで彼女を眺めていたい 時よ止まれと思い止まった事はないのだが隆は心底そう思った、彼女は隆に 気付くと駆け寄ってきた、また小走りで駆け寄ってくるその姿の可愛いこと、 そしてそれに同調する様に揺れるロングヘア、青春ドラマの海岸のシーンそのものだ 時の流れが止まる事はなかったが確実にスローモーション、流れが遅くなっている 捕まってもいいからこのまま彼女に抱き着きたいと思ったが、彼女の特殊部隊員 メイクが現実に引き戻してくれた 彼女は剣の事は忘れたかのように芳香剤を手にしてこれは何だと言っているようだ それを受け取ると隆は鼻に近づけいい香りだと言う表情を見せ彼女に渡した、隆は 彼女の手を取り最初いたモニター傍のテーブルに座らせると、ポケットを探り 小銭を出すとカップ飲料の自販機でコーヒーとオレンジジュースを買った、大人 であろう女性ならコーヒーとは思うが香りは良いが飲み慣れない人間なら苦いだ けで嫌な気分にさせてはと思い保険のオレンジジュースも買ったのだ まぁどちらにせよ外れたとしてもコーヒー、オレンジジュース、どちらも隆の 好物だ彼女が選ばなかった方を自分が飲めば良いと、勿論、剣を取って来た後の 話だが彼女の前でカップを飲むふりをしてテーブルに2つ置くと中を覗き込んだ、 続いて匂いを嗅ぐ、隆はもし、もしがあればこの何でも嗅ぐ癖は直させようと 変な妄想をしていた 結局、彼女はオレンジジュースを選んだ、もしこの場に飯塚さんがいれば 「萌えぇ」と気持ち悪いことを叫んだろうと身震いした、彼女はカップを両手で 掴むとそれを頬にあて分かりやすく冷たいっ!という表情から笑顔になった 額に汗してここまで来たのだ、彼女の世界に氷という物があるかは知らないが この冷たさは心地よいものなんだろう、またこのまま彼女を眺めていたい気持ちに なったが気を取り直して『剣は見つかった、これから取ってくる』と、 これまでで最難関なジェスチャーで彼女に伝えたが結局、確実に通じたっぽいのは 先程もやった『ここで待ってて』だった
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加