bull shit

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時計は19:02を指していた、隆は姫路から来たドライバーに指示を出すと 初老の男性がヨイショと運転席から降りてきて荷台の扉を開けた ホーム下作業用のカウンターリフトを降りると隆は昇降階段を駆け上がり倉庫の奥 にあるリーチリフトに乗り換えトラックの荷物を降ろし始めた、荷台の入口近辺は カーゴ台車に載った雑貨類で運転手が入口付近まで引っ張り出してくると隆は器用 に左腕の操作だけで3本のレバーを操作してカーゴの下部にリフトの爪を突っ込み カーゴを持ち上げるとバックしながら転回し仮置き場にカーゴを降ろした あらかたカーゴが降りると奥にはパレットに積まれた飲料水が現れた、運転手は 荷台の壁に刺してあった2本の鉄棒を取り出し小脇に抱えると床に置いてあった ジョルダーローラーを荷台の床に掘られた2本の溝に放り込んだ ジョルダーとはパレット輸送するトラックには欠かせない道具でジョルダー ローラーを溝に走らせてパレット下部に突っ込むと先程の鉄棒を使いテコの原理で パレットを浮き上がらせてリフトで取りやすいよう入口まで運んでくるシステムだ ついでだがウイングトラックはトラック横部の壁が開くので直接パレットに アクセスできこのジョルダーシステムは必要ないが場合によってはトラック後部扉 からしか荷降ろしが出来ない場合もありジョルダーシステムもあるハイブリットな トラックもあった パレットは6枚積んであり隆は手馴れた感じでそれを降ろすと運転手と共に仮置き 場にある荷を確認した 「パレット6枚、カーゴ16台・・・ケースがぁ・・・」 隆が大まかな数を言うと次はパレットに積まれた飲料水の数を指差しながら数えた 「えっー10回しの4段でぇ・・・6パレのぉ・・・」 この程度の暗算なら何の問題も無い隆だったが計算機の使用を三共倉庫からの指示 があり一応にリフトに備えてある計算機を指で叩くと 「240、でぇー運転手さんカーゴの方はぁ・・・」 そう言うと運転手は無理無理と笑いながら手を振った、カーゴ台車には多種多様な 雑貨が積まれており表面上の数なら何となくわかるが内部に長物などが突っ込まれ たりでわかる筈などなく隆なりのイジりだった、通常カーゴ台車に関しては台数の チェックで事済、数量の確認がある場合は確認できる様に積まれてあった 「OKです」 隆が言うと運転手は受領の書類を渡してきた、その書類に受領印を押すと運転手は 「まいどぉー」 そう言い残すと運転席に戻って行った、隆はリフトに戻りチェックリストに レ点をうち次の荷卸を待つドライバーが見える位置に移動した ーーーープップッーーーーー リフトのクラクションを鳴らすと次のトラックの運転手に手招きして接岸の合図 をだした、運転手はハンドルに投げ出していた足を慌てて折り畳むと軽く手を 挙げた、するとトラックはプスッーというエアブレーキの解除音と共にゆっくりと 動き出し1台目のトラックの目の前まで進みそこから切返し後進してくると おもむろに停車、運転手が降りてくると後部扉を開き横部にある溝へロックピンを 差し込み扉を固定すると運転席に戻り、再び切り返すと後進してホームへ接岸した
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