0人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・どのくらい経ったのだろうか、それ程の時間は経ってないように思えたが
数人の足音が迫って来る音で隆は軽く覚醒した
この時間は隆しか構内に居ない何事かと音のする方向を半目で確認した
すると確かに数名がこちらへ駆け寄ってくる、ここで隆は何かを感じハッキリと
覚醒するとリフトの照明のスイッチを押した
そこに照らし出されたのはみすぼらしい格好をした4人の男で照明に驚いたのか
1人が転倒した、2人が急いで小脇を抱え引き起こすとその間に残り1人が隆の
横へ駆け寄ると叫ぶように語りかけてきた
「◎$♪×△¥●&?#$!!!」
「ん?」
隆は呆気にとられていたが、次の瞬間『あぁ〜成程っ』とこの状況を察した、
そうこの辺りはこの時間帯になると人気もなく船が接岸するには最適な場所
だらけ、なんならご丁寧に渡船場まである、そう彼らは不法入国者かなにかで
問題が発生して逃げ出してきたのだろう、あの意味不明な言葉も外国人なら納得だ
彼らはとうに隆から遠い場所へ走り去っていた、まぁよく聞く話だ、その内
パトカーでも現れて事情を聞かれるかもしれないが今起きた事を正直に話す
だけの事、隆はため息をつくと再び眠りに落ちようとした
ーーーーバリッバリバリバリッーーーー
そう思った瞬間、隆は激しい破壊音で現世に引き戻された、何事かと窮屈に
折り畳んだ身体を解き半分落ちるようにリフトから降りその音の方向へ目を
凝らすと『ライトスタッフ』詰所の辺りから暗闇でもわかる程白煙が上がり
電線が切れ火花がパチパチとスパークし何かに引火したのか火の手が上がった
「何?ちょっと!私物とか残ってんだけど!!!」
そう叫ぶと隆は詰所の方へリフトで駆け出した
最初のコメントを投稿しよう!