bull shit

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隆はリフトのギアをバックギアに入れローギアで急発進した 普通、車両の場合バックで進むのは運転しにくいものだが事リフトにおいては 基本、荷を運ぶ車両であるがゆえ荷を抱えてる時はバックで走る、ゆえに リフトマンはなんなくそれを行えた 相変わらず立て続けに飛んでくる矢音が両耳に響く、カンカンッとリフトの 金属部に当たる音も、そして可哀想だが爪に突き刺さる動物の肉に矢じりが 食い込む特有な鈍い音も、胸を貫かれているのだ矢が数本刺さったところで 結果は変わらないだろうがそれは矢が刺さる度に咆哮を上げた しばらく後進すると矢の射程を外れたのか矢音も金属音も聞こえなくなり 代わりにアスファルトにボルトが落ちるような高いとも低いとも言えない音が 聞こえる、ここで隆はハンドルを切り自分が来た方向を確認した 相変わらず濃いモヤが立ち込めていたが先程白煙の中に見えた3m程の2つの 物体の正体が確認できた、しかし確認できただけでそれが何であるかは わからなかった、隆の中では『ロード・オブ・ザ・リング』に出てたアレ 大きな門を開けるシーンで何かを回してたアレであった 多分、友好関係を築くのは無理であろう、あれだけ矢を射ってきたのだ、 まさかあれが友好の印ではなかろう、そう考えると少しおかしくなったが 隆の手足は震えていた そしてその2つの足元には矢を射ってきた張本人、隆の身長の半分くらい であろうか小人と言うほど小さくはないがボーガンの様なものを持つ 10数名も確認できた そして続けて姿を現した数名が1番ヤバそうだった、先に見えた2種も 十分危険な存在であろうがその数名は身長2m程度で身長だけなら 人間でも見受ける事ができるが身幅が半端ではなかった上半身と思われる 部分のシルエットが正四角形なのだ それに他の2種とは違い落ち着いた感じで獲物を慌てて追うでもなく 確実に仕留めれるであろうと余裕の歩みで表情は見えなかったが 笑みを浮かべてる様にも思える程だった 少し時間を取りすぎたのかまた矢の射程に入りだし隆は慌ててハンドルを 切り元の姿勢に戻すと後進で逃げ始める
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