我ら無敵のヒーロー戦隊!

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我ら無敵のヒーロー戦隊!

『聴くがよい、地球人たちよ。お前達は選ばれし存在だ』  ある日の午後。  友人宅でまったりとオタク座談会をしていた俺達の目の前に、謎の仙人っぽいおじいさんが現れた。そしてこう告げられたのだ。 『今、この地球には未曽有の危機が迫っている。宇宙制服を目論むアンドラ星人たちが、この地球を手中に収めんと迫っているのだ。さあ、その変身ブレスレットを取るがいい。お前達だけが希望の光。無敵戦隊“ムテキーレンジャー”となって、アンドラ星人たちから地球を守るのだ!』  まさか、自分達が正義の味方に選ばれるなんて。俺は驚愕とともに、言われるがまま食卓の上に並んだ変身ブレスレットを手に取ろうとした。しかし。 「待て!」  その俺の手を、がしりと掴んだ者が一人。この家の家主である友人Aである。 「こんな無茶苦茶な話を、お前は信じるというのか?」 「で、でも!」 「確かに、窓も開いてない状況で、仙人ぽいじーさんが突然現れたのは超常現象に他ならないが……だからといって、俺達が正義のヒーローなんて設定、無理がありすぎる。信じられるはずがない!」 「だ、だけど!」 「そもそも、問題が山積みであることにお前は気づいていないのかっ!」  彼は真剣なまなざしでブレスレットを見つめ、そして。 「誰がレッドをやるのか、それを決めない限り変身なんかできるわけないだろ!」  俺は思わずずっこけた。
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