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第一話 王道学園に転生した
「あ、小坂、委員長が探してたよ?」
「また? プリントの提出忘れたんだろ」
「意外に抜けてるからね」
昼休みに入ってすぐ。
購買から帰って来た俺は、同じクラスで、寮が同室の加賀屋と小笠原、一ノ瀬に声を掛けられた。
出席順で縦一列に並ぶ、仲の良い四人だ。
失礼だな! 確かに抜けてるとはよく言われるけど!
最近は、加賀谷から「メモを取ったら?」とアプリを教えてもらったから忘れてないはずだ。
服をパンパンと叩き、鞄を漁る。
あれ?
「……スマホ、部屋だ」
ほらね、って加賀谷が苦笑いしていた。
俺のクラスは1−Cだ。
中学からの持ち上がりでなく、外部からの入学の内、成績がぱっとしない、家柄がさほどでもない奴らのクラスだ。
だからか、超お金持ちのお坊ちゃん学校って設定でも、このクラスは気取ってなくて仲がいい。
白鳳学園は、成績、家柄、寄付の多さなどの順に、SからCまでクラス分けされている。
攻略対象者達は、当然Sクラスに集中して、棟も寮も違うから会うこともない。
折角、BL学園に転生したから、色々なイベントに遭遇したかったってのもあるけど。
無理そうだな。雲の上の存在って感じだから。
「なんで、のんびり飯食ってんだよ!」
学級委員長が教室に駆け込んできた。
「小坂、今日、旗当番だろ? 廊下で先生に会って、呼んで来いって俺がいわれたんだからな」
「あ」
電話掛けたのに出ないし、とぷりぷり詰め寄る委員長を加賀谷が宥めてくれた。
入学したばかりなのに、すでに加賀谷は俺のお母さんと呼ばれている。
ごめん、加賀谷ついでに委員長。
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