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そして、文化祭、当日。
俺は、斎木先輩と一緒に校内を回っていた。
ゲームであったなぁ、主人公が、先輩に手を繋いでもらって回ってたっけ。
「結構すごいな」
俺達の展示は、ダンボールで作った大型恐竜の模型だ。
天井まで届く大きさで、クラスにこういうの好きなやつがいて、なかなかの力作になったと思う。
「小坂はどの辺りを担当したんだ?」
「えっと。これです」
俺は下にある、緑に塗られた不揃いなシダを示す。
最初は、大型恐竜も手伝っていたんだ。
だけど、尻尾を壊してしまって、製作リーダーから「頼むから触らないでくれ」と言われてしまったんだ。
それを聞いて、先輩の顔が笑いを堪えるように歪んでいた。
笑っていいんですよ!
3−Sクラスは、執事喫茶をやる。
主人公が攻略対象者から、姫扱いされてきゅんきゅんくるイベントだ。
「出番はいつですか」
「……午後から」
「照れてます?」
耳が赤くなってた。
もう! 可愛いな!
それから、時間が許す限り、一緒に回った。
二人でクイズをしたり、全然怖くないお化けに笑ったり。
甘いコーヒーを飲んで先輩が顔を顰めたり、剣道部でおもちゃの竹刀で素振り体験をして笑った。
短い時間だったけど、すっごく楽しかった。
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