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第二話 狸とイケメンとランチと
俺は今、狸とイケメンを愛でている。
あれから、毎日、斎木先輩に誘われて裏の藪に来るようになった。
狸は先輩には懐いてるようで、ひょこっと顔を見せるのがめっちゃ可愛い。
でも、俺のことは警戒してるから、俺は離れた木の影から覗いている。
傍から見たら、完全に先輩のストーカーだよね。
それから、斎木先輩と昼ご飯を食べるまでが昼のルーティンになった。
先輩は校内の静かな場所をよく知っていて、校舎裏のベンチで横に並んで座っている。
「すっごいお弁当ですね、どうしたんですか?」
「寮の食堂で頼めば作ってくれる」
というから、食堂で先輩と同じ懐石弁当を頼んでみたら、生徒会役員だけの特権だと言われた。
そうだった。
生徒会や各委員会の長になると、他にも特典がいっぱいあったんだっけ。
寮の個室が与えられたり、学食も別の階のフロアで、給仕付きの特別メニューが用意されたり。
まあ、主人公とめくるめく夜を過ごすのに、同室者がいたら邪魔だしね。
3Pするんなら別だけど。
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