1話 序章

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『本当に、若いのにエライのぉ。なんも明里ちゃんに無理させなくてもねぇ』 私の家の事情は町内中皆知っている。 確かに世間の目は冷たいけれど、私達は何も悪い事はしていない。 生きていくためだから。 「泰造さんだって、まだまだ若いですよ。72に見えない。じゃあ、私はこれでっ」 泰造さんに頭を下げると、泰造さんは笑って『またね』と言った。 「ただいまぁ」 タオルで汗を拭いながらアパートのドアを開ける。 『あ、姉ちゃんおかえり。早く飯食いたいよ』 「はいはい、ちょっと待ってて。シャワー入ってからね」 汗まみれのTシャツとジャージをすぐに脱ぎお風呂に入った。 朝起きて顔を洗って着替えて、まずは新聞配達。
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