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海里がそう言ってくれる日は私の片付けも頼んでいる。
じゃあ、今日は髪縛って行こうかな。
私は肩下まである焦げ茶色の髪(派手な色じゃなければ髪色は自由)を上まで上げ、ポニーテールにして縛った。
ちなみに私はナチュラルメイクなので時間がかからない。(眉を描くのとファンデ塗るだけ)
『じゃあ、行ってきます』
「行ってらっしゃい、気をつけるんだよ」
ランドセルを背負った海里を見送ると、私も部屋の戸締まりや点検を始める。
よし、今日も大丈夫。
カバンを持ってドアを開けると、
「…あ、里香ちゃん、おかえり」
帰宅してきた里香ちゃんが居た。
昨日の夜のバッチリメイク姿とは違い、スッピンに近い姿だった。
とても37才には見えない。
『明里ちゃん~、ただいまぁ~』
私の顔を見ると、目を細めてクシャっと笑った里香ちゃんに私は「お疲れ様」と言った。
仕事から帰ってきた里香ちゃんは疲れてるはずなのに絶対に私や海里に愚痴は言わないし、悲しい顔をしている時に「大丈夫?」と声を掛けても、『大丈夫だよ』と笑うのだ。
『気をつけて行ってらっしゃいっ!』
「行ってきます!」
私は里香ちゃんに手を振り、自転車で学校に向かった。
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