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「ありがとうございます」
お茶を渡されてお礼を伝えた。
温かい…。
『久しぶりねぇ…明里ちゃん。元気だった?』
「はい!!津田さんは?」
『私はいつも元気よ。子どもが就職で出て行って、今夫と2人暮らししてるわ』
私は「良かったです」と笑って言って、
「あの、突然来てすみません。実は聞きたい事がありまして…」
と、静かに言った。
『何かしら?』
「…私の父親の事です。あの時小さかったから分からなかったので」
『え…いいけど、急にどうしたの?』
津田さんが不思議そうに頭を傾げた。
「実は…最近ある女の子に出会ったんです。転校生なんですが、その子小さい頃私と同じこの辺に住んでいたんです」
『その女の子の名前は?』
「三橋亜華梨」
私がそう言うと、津田さんは小さく頷き、
『その子の事知りたい?』
「はい…」
と、私が三橋さんに嫌がらせを受けている事も伝えた。
『本当に良いのね?』
「はい」
津田さんは真剣な顔をした。
『明里ちゃんのお父さんは、明里ちゃんが産まれる前に浮気をしていたの。そして、明里ちゃんが産まれて、海里くんが産まれて…浮気相手も妊娠して子どもが産まれていたの。その子どもの名前は斉木亜華梨』
「名字が…」
『そう、実は斉木亜華梨ちゃんは今、養女なの。本当のお母さんは自殺したの。理由は明里ちゃんのお父さんに捨てられたから』
やっぱり…
それで私や里香ちゃんに…。
『かわいそうと言えばかわいそうだけど、明里ちゃんがイジメを受ける事はないのにね』
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