1話 序章

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学校に着いて自分の教室(3年A組)に向かうと廊下に人だかりが出来ていた。 『あ、森下さん、おはよう。また一位だよ』 「え?」 『また会長が一位だよ。すごいなぁ』 「森下さん」と「会長」は私の事。 生徒会長をしているからだ。 その生徒会長も来月で辞任だけれど。 廊下の掲示板には中間テストの順位が1位から50位まで貼り出されていた。 「いや、まぐれだよ」 『そう言って、毎回一位じゃんか~』 そうなのだ。 毎回勉強を頑張り一位を目指している。 私には目標があるからだ。 周りに「ニコッ」と笑い掛けて教室に入った。 『あ、明里ちゃん、おはよう~』 「おはよう、美衣奈ちゃん」 教室に入ると、中村美衣奈ちゃんが近付いてきた。 私はこの子と仲が良いわけじゃないが、美衣奈ちゃんが誰とも仲良くないため一人者同士話している。 なぜお互い「一人者」かというと美衣奈ちゃんは、ぶりっ子でいつもツインテールをしていて声が高く皆から嫌がられているのだ。 そして私は、人と関わるのが面倒で…。 絶対会話しない、とかじゃないが集まれば人の悪口や不満ばかりの会話が嫌なのだ。 だから、ほとんど一人か美衣奈ちゃんと一緒に居る。
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